第一話:猫いりませんか?

ノースダコタの剣道教室で教えていた頃の話。

稽古の後に雑談していた時、教え子の一人であるケルシーちゃんがトコトコやって来て言った。

「K-40さん、子猫いりませんか?」

「猫?なんでまたやぶから棒に猫なんスか?」
「私が乗馬やってる牧場で子猫が生まれたの。里親探してるの」
「でも、うちのアパートはペット禁制なんスよ」
「今の家じゃなくて今度引越しする予定のアパートは?」
「契約書に魚以外はいませんって書いちゃったんスよねぇ」
「でも、アパート自体はペット禁止じゃないんでしょ?」
「確か、ペットがいると家賃を余分に取られるはずっスよ。」
「じゃ、いくらかかるか電話して聞いてみたら?」
「って、そんな簡単に言われてもねぇ・・・」

「でもK-40さん、猫には目が無いでしょう(⌒ー⌒) ニヤリ」

「う・・・」    (痛いところを突かれた・・・)

大学院の恩師のお嬢さんさんでもある彼女は当時11歳。
動物の次に子供に弱い俺は不覚にも言ってしまった。

「とりあえず、その猫を見てからにしましょう」

で、その週末、牧場に子猫を見に行ったのが運のつき。

「あぁ・・・かぁいいぃぃ・・・・」

「2匹いればお互いの遊び相手になっていいですよね〜」

・・・と、調子にのって2匹もらうことを約束。
やっぱり子供と猫には勝てない。

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