INNOVA以外のディスクのフライト・パターン

前回の話でINNOVAのディスクのフライト・パターンは大体想像がつくようになりましたね。でも、INNOVAと同じぐらい大手であるDiscraftのサイトに行くと、INNOVAほど親切なレイティングはありませんよね。ディスクの紹介のページにさりげなく「Disc Rating」という欄があって、「1.5」とかいう数字の横にちょっと曲がった矢印が書いてある程度です。これでは、一体このディスクがどんな飛び方をするのかが、いまいちピンときませんよね。さらに、MILLENNIUMやLightningに至っては、ホームページに数字すら載ってません。ではどうやってディスクの特性を把握すればいいのでしょうか?
一番手っ取り早い方法は、実際にそのディスクを投げてみることですが、そのディスクを持っている友達が周りにいない場合は、ディスクを購入しないといけません。金があり余っている億万長者や、メーカーからディスクを貰えるプロのプレーヤーならともかく、一般庶民である我々には、何千種類もあるディスクを全部買って投げるなどということは無理ですよね。そこで重宝するのが、ネット上のレビュー等です。しかし、どんなに親切なレビューでも、フライト・パターンを図付きで説明してるサイトはありません。レビューのほとんどは、専門用語と数字で表現してあるので、ここでまたディスク・ゴルフの専門用語をいくつか紹介します。

ステイブル (Stable): ディスクの特性で、高速飛行中の軌跡が真っ直ぐなことを示す言葉。用例:「ステイブルなディスク」等。

オーバー・ステイブル (Overstable): ディスクの特性で、高速飛行中に左(*右)に曲がる傾向にあることを示す言葉。

アンダー・ステイブル (Understable): ディスクの特性で、高速飛行中にターンする傾向にあることを示す言葉。

〜実際にレビューをのぞいてみましょう〜
K-40が愛用しているのはDISC GOLF reviewのレビューなんですが、残念ながら全部英語なんで、普通の人は読むのがめんどくさいですよね。でも、「気合で読んでやる!」という方々は、上に上げた専門用語と前回に学んだ単語(ターン等)に注意しながら読んでみてください。なんとなくイメージ的にはどんなディスクか掴めると思います。K-40は仕事の合間に、時々暇つぶしがてら読んでいました(*2013年12月追記:ホームページ立ち上げ時はまだ時間があったんですが、2009以降は本職の方が忙しくてほとんど読む暇がありませ〜ん)。しかし、K-40のように英語圏に在住しておられる方ならともかく、普通にこのページを読んでおられる方々は英語のページなんて見たくないですよね。で、とても楽な方法をご紹介しましょう。

〜JOE's FLIGHT CHART〜
世の中には素晴らしい人がいるもんで、ものすごい数のディスクのレイティングをまとめた表を、ネット上でタダで配布されてる方がいます。さっそく、JOE's FLIGHT CHARTのページに行って、Joe's Disc Golf Universal Flight Chart をダウンロードしましょう。直リン張ってクレーム付けられると嫌だったんで、ページにしかリンク張ってません。ページの下の方にあるリンクをクリックしてダウンロードしたらさっそくpdfファイルを開いてみましょう。ページの3分の2は表ですね。

この表、ディスクの名前の前にある、「B」と「M」と「P」はそれぞれ「Baseline(標準)」「Mid-grade(上級)」「Premium(最高級)」の略で、どの材質のプラスチックで発売されてるかも確認できます。材質については「ディスクの材質」で触れますので、ここではあまり気にせずにいましょう。で、ディスクの名前のすぐ右に30段ぶち抜きで「5」と書かれた、「RNG」という部分がありますよね。これは「Range(飛距離)」の略で、INNOVAで言えば「スピード」のようなものです。ここでは、INNOVAのような12段階評価ではなく、シンプルな5段階評価になっています。その右側にあるのが、「HSS」と「LSS」の2行。高速(High Speed)と低速(Low Speed)の時の軌跡の安定度(Stability)を示しています。INNOVAのレイティングの「ターン」と「フェード」がこれにあたります。ただし、これも全部5段階評価に直されていますのでご注意を。

さて、最後の行に「PWR」とありますね。これがこの表の非常に素晴らしい所なんです。この数字を見ることによって、投げるのにどれぐらいの力が必要かということが解るんですよね。実はこれ、ディスクを選ぶ時に重要な要素になってきます。力が足りない場合、ディスクはオーバー・ステイブルに飛んでしまい、逆に、力が有り余っていると、アンダー・ステイブル気味になります。このように、ディスクは適正な力で投げてやらないと、意図されたパターンとは全く違う風に飛んでしまうのです。この表では力が5段階評価になっていて、50m以下の飛距離だと「1」、50mから70mだと「2」、85mぐらいまでが「3」、100mで「4」、100m以上飛ばせると「5」となっています。初心者のうちは、PWRの値が1〜3のディスクを選んだ方が、4や5のディスクを投げるよりも真っ直ぐに飛び、結果として飛距離が稼げるということになるのです。

さ、これでディスクの名前が判れば、フライト・パターンやディスクの特性を調べることができるようになりましたね。でも、一体どんなディスクが自分に合っているのでしょうか?初めてプレーする場合はどんなディスクを使えばいいのでしょうか?まだまだ解らないことはたくさんありますね。次回はディスクの選ぶ時の隠れた要素である「材質のプラスチックの違い」についていろいろと掘り下げていくことにしましょう。

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