目的にあったディスクの選び方

さて、ここまで4回に亘る長い前置きでしたが、いよいよ今回は4回分の総まとめをし、ディスクの選び方の解説です。たくさん種類のあるディスク達ですが、目的に合わせて選んでいけば、だいたい数枚程度にまでは絞り込めるものです。選び方の基準も人それぞれ違いますが、一般的に問題になる要素をいくつか挙げて、それについて解説していくことにしましょう。

〜ディスク選びの三要素〜
ディスクを選ぶ時に重要なのは、「使用目的」と「ディスクの特性」だけではなく、「プレーヤーの技術」もからんできます。普通は、何をやりたいのかを明確にし、その目的にあった特性を持つディスクを選べばいいように思えますよね。しかし、投げる人にそのディスクを使いこなせるだけの技術が無い場合には、せっかくのディスクもその実力を発揮できません。免許取立ての若葉マーク保持者に、いきなりF1のレースカーを運転させても、レースカーの良さは発揮できませんよね。かえって、扱い易いオートマの普通車を運転させた方が、運転にも慣れ易いですし、技術の伸びも速くなります。ディスク・ゴルフも同様で、いきなりスピード12で最高級プラスチックの「Star Destroyer」などを初心者に与えても、距離は出ないわ、ディスクは思いっきり左に切れていくわ、軌跡も安定しないからフォームの直し方も判らないわ、良い所はまったくありません。お値段も張りますしね。では、初心者にはどんなディスクが合っているのでしょうか?

〜初めてのディスク〜
前々回に出てきたJOE's FLIGHT CHARTの紹介の時に触れたように、ディスクにはそれぞれ適正な力を加えてやらないと、本来作られた目的どおりにディスクは飛んでくれません。かなり上達するまでは、あまりディスクに力を与えてやることがうまくできませんから、この表で「PWR」1〜3ぐらいのディスクを選ぶのがよいでしょう。フライト・パターンの話の時に出てきたように、グライドのあるディスクの方が高度を保つ能力に長けていますから、あまり力がなくても滞空時間が長くなり、飛距離が伸びますよね。さらに、フェードが少ないディスクの方が最後まで真っ直ぐ飛んでくれますから、狙いがつけ易いですね。で、ディスクの材質の話で触れたように、良質で値段の高いプラスチック程、制御が利きにくくなります。ですから、安くて飛行航路が安定し易い「DX」や「Pro D」などのプラスチックでできているディスクの方が、ディスク・ゴルフを始めたばかりの人には扱い易いということになります。値段も安いので、ディスク・ゴルフを続けるかどうか判らない人でも、気軽に買えてしまうのも利点ですね。また、実際にディスクを買いに行くと気付くのですが、ディスクには重さが書いてあります。重たいディスクほどよく飛びますが、飛ばすのには力が必要になりますから、力が足りないとオーバー・ステイブル気味になってしまいます。最初は軽めのディスクで練習するのがいいでしょう。逆に力がついてくると、軽いディスクではターンしてしまって制御しにくくなることも多々あります。

上記の条件に合ったディスクをJOE's FLIGHT CHARTとにらめっこしながら探してみると、いくつかでてきますね。
K-40の個人的なオススメディスクをいくつか挙げておきましょう。
ドライバー:DiscraftのPro D XLPro D Cyclone、 INNOVAのDX TeebirdDX CheetahDX Leopard
ミッドレンジ:DiscraftのPro D Buzz、 INNOVAのDX SharkDX Roc、MillenniumのAurora MS
パット&アプローチ:INNOVAのDX Aviar、DiscraftのProD Magnet、MillenniumのOmega、GatewayのS Wizard

上に挙げたディスク全部を買う必要はまったくありません。財布の中身と相談しながら、どれを買うか決めましょう。1枚だけ買うのであれば、ミッドレンジのディスクを買うことをお奨めします。2枚買うのであれば、「ミッドレンジとパター」か「ドライバーとパター」というのがいい組み合わせでしょうね。「形から入る」タイプの人は、上のそれぞれのカテゴリーから一枚ずつ買ってみて、それぞれのディスクの飛び方の違いを研究してみるのもいいでしょう。一番重要なのは、「ディスク本来のフライト・パターン」に近い軌跡で投げられるようになることです。詳しいことは次回のディスクの投げ方で解説しましょう。

〜中級者のディスク〜
ある程度ディスク・ゴルフにも慣れてきて、ディスクの軌跡が安定してきた貴方は、もう初心者ではありませんね。ディスク・ゴルフ場に行く回数も増えているでしょうし、ディスクが木や岩に激突する回数も増えていることだと思います。そろそろ他のディスクも試してみたくなる頃でもありますよね。また、力が付いてきて、軽いディスクではターンしてしまうようになってるかもしれませんね。方向性としては、耐久性のいい良質プラスチックに移行、重め又は「PWR」の高いディスクに移行、オーバー・ステイブル又はアンダー・ステイブルなディスクも取り入れる、といったような感じになるでしょうか。

手始めに、INNOVAのChampion Sidewinderあたりのドライバーを手に入れてみるのがいいかも知れません。後は、Champion BeastChampion Valkyrieなども非常に使い易いドライバー達です。DiscraftのElite X Xpressも使い易いアンダー・ステイブルなドライバーです。個人的には、CHINGのSupreme Velocityのようなどこまでも真っ直ぐ飛ぶドライバーも大好きです。癖のあるオーバー・ステイブルなドライバーとしては、INNOVAのChampion FirebirdChampion Bansheeなどを試してみるのもいいかもしれません。ちょっと癖があるけど重宝するミッドレンジのディスクに、INNOVAのStar Stingrayという奴もいます。

〜上級者になったら〜
このページを読む必要はありませんね(笑)。試してみたいディスクを投げてみるなり、持っているディスクを使いこなしてみるなり、方向性は分かれるところですね。理論的に突き詰めていくと、必要なディスクというのは、ドライバー3枚(オーバー・ステイブル、ステイブル、アンダー・ステイブル)、ミッドレンジ1枚(ステイブル)、パター1枚ぐらいなんですよね。後は技術でなんとかなるはずかなと。でも、新しいディスクが出ると試してみたくなるのが人情というものです(笑)。面白そうなディスクを見つけたら、レビューを読むなり、人に聞いてみるなりして、試しに投げてみるのもいいのではないでしょうか?

〜ディスクを手に入れたら〜
さっそく投げてみましょう。別に、ディスク・ゴルフ場が家の近くになくてもかまいません。近所の公園や、公共の野球のグラウンドやサッカー場などで投げちゃいましょう。でも、人に向かって投げちゃいけませんよ。ディスクは当たると非常に痛いんです。当たった瞬間は声もでません(経験者談)。・・・と、余談はこの辺で置いといて。さてさて、どうです?ディスクは真っ直ぐ飛びましたか?それとも、上の方に上がって行って、左の方にぐぐぐ〜っと切れて行ってしまいましたか?たいていの人は後者でしょうね。これでは狙いがつけ難いですね。飛距離もあまり出ませんし。次回は、ディスクの投げ方に焦点を絞って話を進めていくことにしましょう。

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