日本語に無いVの音を出す

SとSH、ZとJの音を出せるようになった貴方は、他の人との意思疎通がかなり楽になっていると思います。今後は、「日本語に存在しない音」をいかにして作り出すか、ということに焦点を絞って解説していきます。今回は多くの日本人が発音に苦労する「V」の音に挑戦してみましょう。「Vに近い音はなんですか?」と聞かれたら、9割以上の日本人は「Bの音」と答えることでしょう。そこでまずは、唇と歯の位置に気をつけながら、「ば、び、ぶ、べ、ぼ」と発音してみてください。音が出る瞬間に上唇と下唇が触れ合いますよね。しかし、歯の位置はどうでしたか?上下とも歯はまったくどこにも触れていませんね。これが、日本語の「ば行」の音を出す時の唇と歯の位置関係なのです。いまいち解りにくかった場合は、何回でも判るまで「ば、び、ぶ、べ、ぼ」を繰り返してみてください。どうですか?なんとなく判ったでしょうか?では、これをどうやっていじくれば「V」の音が出せるかということを研究してみることにしましょう。

まずは右の絵を参照してみてください。上の歯と下唇が触れ合っているのが判るでしょうか?下の歯はどこに当たるでもなく上の歯と下唇の裏側に待機しています。この状態で、なるべく上の歯と下唇を離すことなく「ヴー」という音を出してみましょう。「ブー」と言おうとしてしまうと上唇と下唇が触れしてしまうので、唇と歯の所在地を図の位置から変えないようにして、上の歯と下唇の間から息を吐き出すようにしてみましょう。この時、「フー」という音が出てしまう人は、喉を震わせていないから「F」の音になってしまっているんですね。この場合には、「フー」と「ブー」の音を何回か繰り返してみて、喉の震わせ方の感覚を掴みましょう。喉の震わせ方が判ったら、今度は図のような「V」の口の状態から何も動かさずに「ブー」と言ってみましょう。どうですか?「B」の音では一瞬だけ震えていた下唇が、「V」の音を出す時には、音を出している間中ずっと震えていますよね。これが、「V」の音の正しいあり方なのです。

「V」の音を単独で鳴らすことに慣れてきた貴方は、実際に単語の中で使ってみて「B」の音との違いを再認識することにしましょう。以下に挙げる単語を発音してみてください。
@「Vat (ヴェァット)」、「Bat (ベァット)」
A「Vee (ヴィー)」、「Bee (ビー)」、「Veer (ヴィァー)」、「Beer (ビァー)」
B「Voodoo (ヴードゥー)」、「Boo do (ブードゥー)」
C「Vest (ヴェスト)」、「Best (ベスト)」、「Vent (ヴェント)」、「Bent (ベント)」
D「Volt (ヴォルト)」、「Bolt (ボルト)」

これらの単語を発音し分けられるようになれば、他のVの混ざってる単語も問題なく発音できるようになります。音の違いを意識しながらひたすら練習してみてください。他の人の発音や音楽を聞きながら練習している時も、しっかりと音の違いを聞き分けられるように意識するのも上達への近道であります。少しでも自分の作り出す音が正しい「V」の音になるように日々の努力をおこたらないようにしましょう。

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