動かない空気

フロリダ大学の博士課程にいた中国人留学生。
一人っ子なもんで、相当甘やかされて育ったらしく、
自分の思うようにいかないと、すぐいちゃもんをつけて暴れ出す。
間違ったやり方をしてるんで、人が親切に何か教えてやっても、
絶対に自分が正しいと言い張って修正しないから、頭が悪いまま。

有機化学の世界には、酸素や水に触れるとぶっ壊れる試薬が多いんで、
反応を仕込む時には、まず真空ポンプを使って空気を抜いてやる。
次に、窒素かアルゴンを注入して無酸素の状態にしてやる。
試薬をフラスコに入れる時は、注射器を使ってゴム栓越しに針で注入。
いったん仕込んだ反応は、終わるまでゴム栓を取らないのが常識、

しかし、前述の中国人留学生には彼独特の持論があって、

ゴム栓開けても空気は動かない

ゴム栓を開けて、試薬をどばっと流し込む。
またゴム栓を開けて、別の試薬をぱらぱらっと振り掛ける。
またゴム栓を開けて、次の試薬をポタポタと足してやる。

彼曰く、フラスコの中には窒素が詰まってるんだから、空気(酸素)の入る隙は無い。
空気を流し込んでやらない限りはフラスコ内には酸素は入らず、窒素も外に出ない。
彼の理論に従うと、

香水の蓋を開けても匂いは外に出ない

窓を開けても外の空気は家の中に入ってこない

そんな、自然の法則も曲げてしまうことの出来る彼、

またの名を「神」

神の名の元に、ガンガン酸素を混入させられてしまった反応。
試薬がぶっ壊れるから収率も悪く、余計な反応がおこるから不純物も増える。
神は完璧だから、他人のせいにして怒る。

他の奴等が試薬を雑に扱うからぶっ壊れてる!

ぶっ壊れとんのはてめーのドタマやろ・・・

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